元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

「なんでだと思う?」ナゼナゼ期の子どもを伸ばすには質問返しを!

子どもの論理的思考力を飛躍的に伸ばす声がけがあります。

それは「質問返し」。

幼少期の子は爆発的に知識を吸収しますが、その分大人は子どもからの質問を雨のように浴びせられますよね。丁寧に質問に答えてあげることも大事ですが、たまには逆に質問で返してみて下さい。

 

なぜなぜ期の長男

こんにちは。元スパルタ塾講ママです。

絶賛なぜなぜ期の長男。とにかく毎日「なんで?」と質問攻めにあっています。

 

ここ最近は、日中にも関わらず街頭の灯りが点いているのを見つけると、「なんで昼間なのに電気が点いているの?」と繰り返し質問してきます。

 

「太陽があまり当たらない暗い場所は昼間でも電気が点くんだよ」と毎回説明するのですが、電気の点く街灯を見つけるたびに同じ質問を繰り返します。

 

疲れていたり急いでいたりして、正直「そろそろ同じ質問はやめてほしいな…」と感じつつありました。

 

実はわかっていた

昨日も、長男と次男と私で図書館へ向かう道中、高架下の電気が点いているのを見て、「昼間なのになんで電気が点いているの?」と質問してきました。

 

「またか…」と思った私は、ふと「なんでだと思う?」と質問返しをしてみることに。すると長男は「太陽の光が入らなくて暗いからかな」と回答。

 

「分かっているじゃん!」と言いたいのを我慢して、「そうだね!長男の言うとおりだと思うよ」と返しました。

 

子どもはいつも法則性を探している

道を散歩する犬は大型犬から小型犬まで多種多様。

子どものころ動物図鑑を見ながら私は「こんなに外見が違うのに、なぜ全て『犬」だと認識できるのだろう」と疑問を持ったことがあります。(なんだか哲学的迷宮入りそうですね…)

 

しかし子どもはいつの間にか自然と「リードに繋がれ人と散歩しているあの生き物は『ワンワン(犬)』だ」と理解するようになります。

改めて考えるとすごいことです。

 

こうした帰納法的推論を繰り返すことで、どんどん複雑な事象を理解できるようになり、「大人の思考」ができるようになるのでしょう。

 

今回長男がずっと考えていた、

曇りの日に点灯している街灯

建物の影なっていつも点灯している街灯

高架下で点灯している電気

大人であればすべて昼間でも暗いから電気が点いているのだとすぐに分かりますが、子どもにとっては、どれもバラバラの事象。

「日中でも暗い場所」という法則性を見つけ出すのは実は高度な抽象的思考を要することなのです。

 

長男は、昼間でも点灯する電気を見つけるたびに同じ質問を繰り返し、私がいつも同じ回答をするのを聞くことで、「これも前に質問した『昼間でも暗いから電気が点いている』ということと同じなのだな」と答え合わせをしていたのかもしれません。

 

塾で見てきた「優秀な子」は例外なくこの「法則性を見つける能力」が優れていました。

物事を抽象化し効率よく理解することができるので、結果的に成績も優秀だったのでしょう。

 

大人の声かけ一つで子どもの世界が広がる

「なんでだと思う?」この問いかけによって、長男の考えは一気に抽象度が上がり、自分なりの法則性を見つけ納得できました

 

一昔前「詰め込み教育は害悪」ということで「ゆとり教育」の方向に舵を切り、結局子どもたちの学力が下がってしまったことで、再び学習量が増えました。

最近の小学生の教科書や資料集の量は私たちの子どもの頃よりずっと重いそうです。

 

しかし大事なのは知識を増やすことと、その知識を活用することのバランス。

 

今回長男とのやりとりで「なんでだと思う?」という問いかけは、子どもが知識を活用するのを後押しする重要な声かけだと感じました。

 

さらに自分の考えを発信する力も大事

塾講師の経験から言えることですが、間違ってもいいから「自分はこう思うんだけど、どうだろう?」と主張する力は、周囲を巻き込んで自分を成長させるのに必要不可欠です。

「この子はここまで分かっているのだな。それならこんな課題を与えてみよう」と教える側は思うからです。

 

「何を考えているか分からない」と思われてしまうのは、大人も子どもも損する場合が多いと思います。

 

頭が良いってなんだろう

 

 

いろいろ述べてきましたが、

「知るのが楽しい」

「考えるのが楽しい」

「自分の考えを知ってもらうのが楽しい」

という、3つの「楽しい」を自然に感じられる子が優秀なのではないでしょうか。

 

これまでの長男との会話を振り返ると、私は質問に答えることで知識のインプットに重きを置いていたように思います。

 

しかしこれからは「なんでだと思う?」を増やしながら、子どもの考えに耳を傾け、「君の考えをもっと聞かせてほしい」というメッセージをもっと伝えていこうと思いました。

 

【参考文献】

モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て