〇〇教育、〇〇教室、いろいろとあるけれど、幼児教育にはどのような種類があるのでしょうか?
こんにちは。元スパルタ塾講ママです。
子育てをしていると、授乳や夜泣きに予防接種に成長曲線…と、何もかもが初めての事なので、とにかく検索魔になります。知育や幼児教育に関しても、ただ調べっぱなしになりがちなので、自分の知識の整理も兼ねてこちらにまとめてみたいと思います。
知育は教育の要素の一つ
教育には「知育」「徳育」「体育」の3つの要素があります。
そのうちの知的な能力を鍛えるのが知育。
思考力や考察力、判断力といった、「知能(知力)」を伸ばすことを目的とした教育です。
平たく言うと小学校に入る前に「地頭を良くしておく」ための遊びを通した働きかけと言えそう。
日本でも有名ないくつかの「〇〇教育」を、主に幼児期の知育の観点からまとめてみました。
海外生まれの教育法
多くの教育法が欧米生まれ。
日本の幼児教育もその影響を多かれ少なかれ受けているようです。
教育・哲学・医学・国家主導など、その誕生の経緯もさまざまですが、子どもの個性や内面から湧き出る自発性を重んじるところに「個」を重んじる欧米らしさを感じます。
モンテッソーリ教育
100年以上前に、イタリアの医師であり教育家であるマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。
モンテッソーリ教育を実践する上で重要になるのが、子どもをよく観察し、発達に合わせ安心して取り組める「環境」を整えること。
そうすることによって、子どもは自分で考え自分で行動できるようになると考えられます。
たとえば、モンテッソーリ教育では子どもの遊びを「おしごと」と呼び、大人が「やりなさい」と指示するのではなく、子ども自身がやることを選び、教具(道具・玩具)を準備し、最後まで取り組み、お片付けします。
自分の決めたことを最後までやり抜くことを大切にしているんですね。
長男とモンテッソーリの教室を体験したことがありますが、一人ひとり集中して「おしごと」に取り組んでおり、幼児が何人もいると思えないほど静かな環境なのが印象的でした。
将棋のプロ棋士の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を受けたのは有名な話ですが、あの強さの源は幼児期の集中体験にあるのかもしれませんね。
また手に触れられる具体物で「数・大きさ」を十分に理解してから、抽象概念の理解へと進むことを重視しており、後の算数学習に良い影響がありそうだなと感じました。
シュタイナー教育
こちらも100年以上前にオーストリア出身のルドルフ・シュタイナーが提唱した教育実践法です。
シュタイナー教育の目的は「一人ひとりの個性を大切にし、子どもの能力を最大限に発揮させること」。
特徴としては
・自然体験や芸術活動を重視し、早期教育はNG。
・絵本の読み聞かせやテレビ、キャラクターの玩具が禁止
などがあります。
外からの余計な影響を極力排除し、安定した安心できる環境で子どもの内から湧き出る個性を引き出すことを重視する姿勢がうかがえます。
私の通っていた小学校の図工の先生がかなり変わった人で、とにかく「他人を真似るな」「真似は自分(の個性)を死なすことだ」が口癖でした。
当時はその言葉の過激さに皆引いていたのですが、実はかなり前衛的かつ真に教育的でアートな人だったのかもしれません。
レッジョ・エミリア・アプローチ教育
イタリアのレッジョ・エミリアという都市で発案された教育法です。
「子どもが100人いれば、100の個性があり、100の可能性がある」という信念のもとに、子どもの個性を尊重する世界で最も前衛的な教育法とも言われています。
具体的な教具や教育手法ではなくその名の通り「アプローチ」の方法。決められたカリキュラムや時間割が無いため、自分でやりたいことを決めて取り組んだり、皆で話し合ってプロジェクトを決めたりします。
自主性だけでなく、協調性も重視するところに特徴があると言えそうです。
ピラミッドメソッド
Cito(オランダ政府教育評価機構)によって提唱された教育法で、「自分で選択して決断できる力を養うこと」に重点をおいています。
「子どもの自主性」「保育者の自主性」「寄り添う」「距離をおく」という4つの基礎石をもとに、しっかりと整えられた保育環境で子どもが主体的に遊びます。
また、大きさ、数、色と形、家など11のテーマの中から一つ選び、時間をかけて取り組む「プロジェクト」を通して、次第に抽象的な概念を習得するよう導くそうです。
子どもへの視点だけでなく保育者の在り方にも重点が置かれています。1994年に生まれたということもあってか、現代的な価値観にも沿ったバランスよい教育観に感じます。
ドーマンメソッド
グレン・ドーマン博士が元々は脳障害児のために生み出した教育法です。
人間の脳は0歳から6歳にかけて急激に発達するため、適切な刺激を与えることで脳を発達させることができると考えました。
ただドーマン自身は「ドーマンメソッド」という言葉を使わず、また人が使うのも好まなかったとか。
ドッツカードを使って数の概念を乳児期から教えるやり方は、現代では七田式や公文にも引き継がれています。
ドッツカードは本屋などでも手に入り、我が家には数字と裏には赤丸が書かれたくもんの「かずカード」があります。
ドーマン氏の本は私も読んだことがあります。
今では古い内容もあるため、全てに納得できるというわけではなかったのですが、脳障害児・健常児関係なく、子どもの可能性を信じる姿勢が伝わってきて、純粋に感動しました。
日本生まれの教育法
欧米生まれの教育法に影響をうけたものも、日本で生まれ独自に発展したものもあります。
昔から保育園や幼稚園で取り入れられている教育法も多いため、欧米生まれのものよりも日本人にとっては馴染みやすいかもしれません。
七田式教育法
七田式教育法は、七田眞氏によって提唱された教育法です。
子どもが元々持っている可能性を最大限引き出すことに重点をおき、特に乳幼児期に右脳トレーニングを行うのが特徴です。
また「認めて・褒めて・愛して・育てる」をキーワードで、親子の信頼関係を大切にします。
次男が0歳のころ育休中で時間があったため、一度七田式教室へ体験に行ったことがあります。
フラッシュカードを用いた、次々と内容が変化するとてもスピード感のある授業が印象的で、「子どもの柔軟な脳に大量の刺激を与えることで脳のキャパを広げる」という教育法だと理解しました。
石井式教育法
教育学者の石井勲博士の58年にわたる教育経験から生まれた教育法です。
幼児期の言語教育が知能を決定し能力を伸ばすと考え、ひらがなの学習からではなく「漢字かな交じりの絵本」で漢字教育を行うのが特徴です。
漢字はひらがなやカタカナと違い、目で見て理解できる言葉のため、子どもたちは絵を見る感覚で漢字を覚えていくそうです。
「豊かな言葉は豊かな心を、美しい言葉は美しい心を育てる」という言葉には、元国語の塾講師として全面的に同意です。
ヨコミネ式教育法
女子プロゴルファーである横峯さくらさんの伯父「横峯吉文」が提唱した教育法です。
子どもには
「競争したがる」
「真似したがる」
「少し難しいことをしたがる」
「認められたがる」
という4つの性質があり、その性質を意識して子どものやる気を起こさせることで、トラブルや問題にぶつかったとしても挫けない心と思いやりのある心が育つと考えます。
メディアでは特に運動面の英才教育という側面で取り上げられることが多い気がしますが、「心の力」「学ぶ力」「体の力」の3つを大切にしています。
仲間との適度な競争心や子どもらしい気持ちを重視しているところが分かりやすく、割と観念的に思える外国生まれの教育法とは違った印象を持ちます。
結論:共通点は「子ども自身の自ら成長する力を信じる」こと
基本的に「子どもに教え込む」のではなく、子どもの元々持っている力を伸ばす、という点は共通していますね。
ただどの程度大人が関与するのか、どんな環境を整えるのか、という点が異なるようです。ですから、それぞれの良いところを自分の子どもに合わせて試行錯誤しながら、自分なりのやり方を作り上げていくことが大事なのではないかと思います。
我が他の実践例
大学生のころ実家でたまたま石井式教育法の本を読んだことがあり、その記憶がなんとなくあったので、長男が乳児のころ身の回りの物の名前を漢字仮名交じりで見せていました。
その際、意識したのが
・ノートに大きく書く(→ドーマンメソッド的?)
・具体的な名詞のみ扱う 例「お父さん」「服」「りんご」など手で触れられるもののみ。「時間」などの抽象名詞は教えない(→モンテッソーリ的?)
・フラッシュカードのように素早く見せることもあれば、興味を持っていそうだと感じてじっくり見せることもあった(→七田式的かつ石井式的?)
初めての子ということで検索魔だったり本を読んだりだったのですが、子どもの反応に合わせて色々試行錯誤しながらやり方は変わっていきました。
その結果なのかは分かりませんが、長男は文字の読み書きにかなり早くから興味を持ち始めました。今では漢字も大好きです。
サンプル数1なので検証しようがないですが、子育てはこうした試行錯誤の積み重ねなのかなと思うので、そこはいい意味でミーハーに色々な方法を試しながら、それぞれの子どもに合ったやり方を作り上げていきたいと思っています。