元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

【ピアノ】絶対音感トレーニング体験記①

絶対音感というと、一握りの天才だけが持つ珍しい才能と思われがち。しかし実は、年齢制限はあるものの、正しい訓練によって誰でも身につけることができるそうです。

長男は昨年の春からピアノと同時に絶対音感のレッスンも始めたので、実際にレッスンに通ってみた感想を述べてみたいと思います。

 

 

 

絶対音感とは

絶対音感とは、他の音と比べなくても、突然きこえた音の音名が分かる能力のこと。
絶対音感を持っている人は0.2~0.5%と、非常にまれな能力でありながら、年齢の小さいうちに適切なトレーニングをおこなうことによって、誰もが習得できる能力であることが分かっています。

引用元 https://ichionkai.co.jp/zettai_onkan.html

 

長男が通う音楽教室(一音会ミュージックスクール)は世界で唯一絶対音感のプログラムが確立されているとのことで、この世界では有名な音楽教室なのだそうです。

プロのピアニストも多数輩出しているのですが、決して幼いうちから厳しいレッスンが課されるわけではなく、音楽と一生付き合っていけるよう、しっかりと確立されたメソッドに基づき音楽を楽しむ心を育むことを大切にする指導が特長です。

絶対音感に関しては、

低年齢のうちにしか受けられないレッスンならば、折角だからやってみよう

という軽い気持ちでピアノのレッスンとセットで始めました。

 

絶対音感を身につけるメリット

絶対音感を身につけることには、以下のメリットがあるそうです。

  • 耳で聞いただけの音楽を楽器で演奏できる
  • 耳で聞いただけの音楽を楽譜に書きおこせる
  • 耳が良いため演奏に有利
  • 曲の記憶が正確に長く覚えておくことができる
  • 音を正確にイメージできるので、作曲活動にも有利
  •  

絶対音感を持つデメリット

基本的には無いそうです。

よく

「聞こえる音が全て音名に聞こえてしまい不快」

という話がありますが、これは

「目に入る街中の文字が全て気になってしまい不快」

と同じで、通常はありえないとのこと。

もしかしたら、ある種の感覚過敏を持つ先天的に絶対音感を持つ人が、音に対してこのような不快感を訴えるのかもしれません。

 

絶対音感のレッスン方法

 

 

14色の小さなハタと基本的にはピアノ(できれば電子ピアノよりもアップライトピアノ)を使います。

それぞれの色に14種類の和音が割り当てられていて、たとえば

音が「ジャーン」と鳴ったら、「赤!」と言いながら音に対応するハタを挙げるのを繰り返します。

最初は白鍵のみの和音から始まってハタが一本ずつ増えていき、最終的には黒鍵を含む14色のハタの色と和音を紐づけ、全て聴き分けられるようにしていきます。

おそらく音と色との共感覚」のようなものを人工的に身につける、ということかと思います。

 

家では毎日30回×5セット

教室でのレッスンは週に1回、10分程度。

しかし自宅で、約30回を1セットとして一日に5回、ハタ挙げを行わなくてはならないのですが、これがなかなか大変です。

我が家は朝に2回、夜に3回と分けて、なんとかこなすようにしています。

ただ子どもの体調が悪かったり、私が忙しかったりして、一日に3回程度しかできない日が続くこともありますが、そうするとなかなか新しい色が入りくくなると感じます。

やはり「一日5セット」というのは意味のある数なのでしょう。

 

絶対音感プログラムを10カ月受けてみた感想

約10カ月かけて、長男は最後の14本目のハタに入りました。

途中、なかなかうまく聴き分けられない色(音)もあって苦戦したのですが、そこをなんとか乗り越え、その後はスムーズに最後のハタ色まで到達しました。

これからより高度な音の聞き分けに入っていくと思いますが、既に大人よりもずっと良い耳に育っていると感じることがあります。

たとえば、先日長男の大好きな藤井風さんのライブ映像を見ていたところ、近くにあったピアノを何気なく触れ、流れてくる歌(青春病)に近い音を弾いていました。

その他に、ピアノをデタラメに弾いて遊ぶようなときも「美しい和音」を出すようになったように感じます。

ピアノのレッスン自体はまだまだ幼児の初心者レベルですが、音に関する感度は明らかに高く育っているのではないかと感じます。

 

大人にはやはり無理

ちなみに、私も夫も長男と同じくらい和音を聴いているので「それぞれが違う和音だ」ということは分かりますが、「どの音がどの色に相当するのか」を正確に当てることは全くできません

長男が反射的に「赤」「黒」「黄色」と、いとも簡単に正解するのを見ていると、幼児の脳の柔軟さにはとても驚かされます。

 

「子どもの人生を豊かにするため」という目的を見失わず

 

 

長男は特にピアニストを目指しているわけではありません。

しかし音楽が人生の傍らにあり、かつ絶対音感を持つことで、息子の人生が彩り豊かなものになれば、とは思っています。

習い事を始めると、つい親の期待ばかりが大きくなり、子どもに厳しくなってしまいがちですが、勉強でもスポーツでも音楽でも、何より大切なのは「子どもの人生が豊かになること」

大人にできるのは、子どもが伸び伸びと成長できるよう環境を整えることだけではないでしょ科。

そのことを決して忘れず、一緒に一音一音を楽しむ心を育んでいきたいと思っています。

 

絶対音感は必ずしも教室で通わずとも、自宅レッスンでも身につけることは可能です。

興味がある方はこちらの本を是非読んでみてください。