元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

「ぼくはいい子?」長男の言葉に怖くなった話

仕事とも関連があるので、知育や幼児教育についてあれこれ考える日々ですが、子どもの言葉にハッと気づかされることがあります。

最近子どもに言われたある言葉について、自戒の思いも込めて書き留めようと思います。

 

「ぼくは、毎日お勉強しているからいい子?」

最近長男が「ぼくは〇〇を頑張っているからいい子?」と尋ねることがあります。

「〇〇」にはワークだったり、ピアノだったり、あるいはちょっとしたお手伝いなどが入ります。

正直この言葉を聞いて、ドキッとしました。そして怖くなりました

 

条件付きで長男を認めていたのか?

こんな言葉を長男が発する理由を考えてみました。

「〇〇をするからいい子」という言葉は、

裏返すと

「〇〇しないといい子ではない」

という意味でもあります。

そしてわざわざそのように言葉にするということは、長男が

「無条件では認めてもらえない」と感じている可能性を示します。

もし長男がそのように自分のことを考えているとしたら、親である私たちが意図せずともそのようなメッセージを伝えてしまっていたということでしょう。

 

長男のことは意識的に褒めてきた

 

 

長男のことは、それこそ生まれた時から意識的に言葉に出して褒めるようにしてきました。

特に次男が生れてからは、どうしても次男の世話に時間が多く割かれてしまうので、長男と話せる時間があればなるべくポジティブな言葉をかけるように心がけてきたつもりです。

また夫が割と口下手なタイプなので、私がお膳立てして「長男を褒めてあげて」と働き掛けてきました。

「もう平仮名が読めてすごいね!」

「毎日ピアノを練習してえらいね!」

「上手に絵を描けたね!」

「よくそんなことに気づいたね!」

「お手伝いしてくれてありがとう!助かったよ!」

と頑張りを褒めたり、感謝を伝えたりしてきました。

 

「無条件で褒められる次男」と自分を比べている?

1歳半の次男は何でも長男の真似をしようと挑戦するので、あらゆる面で成長が早いです。

最近はどんどん語彙が増えており、割と早熟だと思っていた長男を上回るスピードで成長していると感じるほど。結果的に次男は毎日のように驚嘆と共に称賛を浴びています

一方の長男は、もちろん日々目覚ましく成長しているのですが、1歳児と比べると見かけ上どうしても成長は緩やか。

さらに年齢が上がってきて、ワークやピアノなどで「努力しないとゴールまで到達しないもの」が増えてきました。

もちろん「できないからダメ」という言葉はけっして使いませんが、

「ここがまだだね」「もう少し頑張ってみよう」

など、取り組みや努力が不十分な面を指摘されることも少しずつ出てきます

そうした面で、ある意味「ただいるだけ」で称賛を浴びているような次男と比べると、長男は

「自分は頑張らないと褒められない」と感じてしまっているのかもしれません。

 

幼児期後期は「道徳」の概念ができつつある時期

実は長男、「いい子」「悪い子」という言葉を、最近別の文脈でも言います。

それは「保育園の▲▲くんは、〇〇をしないから悪い子?」といった質問。

保育園にルールをあまり守らない子がいるようで、慎重で生真面目な長男からするとそんな行動をする子がいる、ということ自体が発見なのでしょう。

そしてそうしたルールと異なる行動を取る子を「悪い子」、ルールを守る子は「いい子」と二分することで、規範や道徳といった概念を形作っている最中なのかもしれません。

 

長男が「いい子?」と質問する意図は結局は分からない。しかし・・・

結局のところ長男がどんな意図で「自分はいい子?」と質問をするのかは分かりません。

次男と自分を比較して寂しい気持ちなのかもしれませんし、成長の過程で道徳心が芽生えているのかもしれません。

長男自身も正確には分かっていないと思います。

ただ、「ぼくは〇〇を頑張っているからいい子?」という言葉を聞いて、私自身が怖さを感じたということは、自分の中に何かしらの後ろめたさがあるということだと思うのです。長男に対して、

「過度に期待をかけてしまっている」

「自分の意図した行動にばかりに偏って褒めてしまっている」

「次男と無意識に比較している」

つまりは

「子どもをコントロールしようとしている」ということ。

そんな自分に気づかされたからこそ、長男の言葉に怖くなったのではないかと思うのです。

 

「褒める」より大事なことは

「褒める育児」が注目されて久しいですが、一番大切なのは、子どもの幸せを願う親の愛情が子どもに「伝わること」ではないでしょうか。

今回長男の言葉で自分自身の言動を振り返り、大切なことを再確認することができました。

「ただいてくれるだけで大好きだよ」

そのメッセージを伝え続けることを忘れずにいたいと思います。