元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

【知育・中学受験】一生伸び続ける子に育てる方法

最近「あと伸び」という言葉を聞く機会が増えてきました。

一方で受験で燃え尽きてしまった子どもはしばしば「伸びきったゴム」に例えられます。

どちらも勉強を頑張った結果なのに、一体何がこのような違いを生むのでしょうか。

 

Z会を始めた決め手は「あと伸び」

こんにちは。元スパルタ塾講ママです。

長男は年少の4月からZ会幼児コースで家庭学習をしています。

 

元々はこどもちゃれんじをしていたのですが、毎月届く付録や広告の多さに私のズボラ気質が悲鳴を上げてしまい、よりシンプルなものを求めてZ会にたどりつきました。

 

そのZ会幼児コースでテーマとなっているのが「あと伸び」

あと伸びとは

幼児期に⼤切なのは、何に対しても「なぜ︖」「どうして︖」と疑問をもち、⾃分なりに答えを⾒つけようとする姿勢。
そして考えることそのものを、おもしろがることです。
このように主体的に学びに向かう姿勢をわたしたちZ会は「あと伸び力」とよんでいます。

人の学びは一生続いていくもの。
「あと伸び⼒」をいま⾝につけていくことが、未来の学びの扉を開く原動⼒となります。

 

つまり「学ぶことを楽しみ、自分からどんどん学習していくことができる力」という意味だと言えます。

 

我が子にもそんな風に育ってほしい、と願っている親御さんは多いのではないでしょうか。

 

この「あと伸び」という言葉、私はZ会で初めて知ったのですが、塾講師時代に抱いていた問題意識と通ずるところがあり、深く共感して子どもの教材としてZ会を選びました。

 

まさに「伸びきったゴム」。大学付属校に入学して目標を見失ったA君

A君のご家庭は「できれば早慶の付属校、せめてGMARCHに!」という典型的な大学付属校主義。

大学受験なしに安定ルートを確保したいという分かりやすい動機でした。

 

しかしまずかったのは、正直にそのことをお子さんにも伝えてしまったこと。

 

受験勉強にくじけそうなA君をなんとか最後まで完走させようと親御さんたちは「中学受験さえ頑張れば、あとは楽できるよ」と伝え続け、ギリギリで第二志望のMARCH付属中学に合格

 

しかし「もう楽をしていいんだ」と本気で思ってしまったA君。

中学入学後全く勉強しなくなり成績はずっと下位10%

A君の様子を心配した親御さんは個別指導塾に入塾させるも、なかなか成績は上がらず。

 

それでも付属の大学には上がれたようですが、彼の中高6年間が充実していたと言えるのか…疑問に思ってしまいます。

 

第二志望校に繰り上げ合格。まるで別人のように「あと伸び」し中学入学後学年トップをキープし続けたB君

B君は小学生のころは「おっとりした優しい子」というイメージで、特段優秀というタイプではありませんでした。

算数は比較的得意だったものの、語彙力が弱かったため授業の解説を勘違いしてしまうことがしばしばありました。

 

しかし素直で好奇心旺盛なB君。授業後もたくさん質問に来て、小6ではまるで自習室の主のように毎日通っていました。

 

すると着実に実力がアップし特に小6秋から急激に成長。

見事第二志望に合格を果たしました。

 

入学後もモチベーションを高く維持し勉強を続けた結果、6年間ほぼ学年トップをキープ。

自主的に英検や数検にも挑戦し次々と合格しました。

 

実は中学入試で補欠合格からの繰り上げ合格だったとは誰も信じられないほど超優等生として6年間を過ごし、中学入試では手の届かなかった最難関大学の一つに見事合格することができました。

 

「あと伸びする子」と「伸びきったゴムになってしまう子」は何が違うのか

 

 

小学生の時点での学力でいうと正直A君の方がB君よりも上でした。

それは偏差値上で見える数字だけでなく、授業をしていて「理解しているな」と感じられる手ごたえも含めて。

 

しかし中学入試の後の伸び方はB君の方が圧倒的に大きいものでした。二人は一体何が違ったのでしょうか?

 

勉強を目的とするか手段とするか

よく「勉強は何のためにするのか」と子どもが質問したらどう答えるかべきか、という話があります。

ただ私の経験上、この質問をする子はあまり多くありません

 

それは子どもは本来「勉強は楽しい」と感じるものだからだと思います。

つまり「好きなものは好き、理由なんていらない」ということ。

 

けれども大人になるといつしか勉強が苦行のように感じるようになり「辛いのに耐えて努力することこそ美徳である」と思うようになっていきます

 

中学受験を題材に大人気の漫画「二月の勝者」の島津君のお父さんがまさにこのタイプですね。

 

だから無意識に自分の子どもにも「勉強はつらいよね。

だけど今頑張ればあとは楽しい中学生活が待っているよ」というメッセージを送ってしまう親御さんもいて、それが子どもにも「勉強はつらいもの」と刷り込んでしまい勉強の楽しさを忘れさせてしまうのだと思います。

 

こうしてA君は「勉強はつらいけれど志望校に入るための手段」と考えるようになり、付属の大学への進学が約束された時点で、勉強する目的を完全に見失ってしまいました。

 

一方でB君は中学受験時点でこそ優等生とまではいかない成績だったものの、勉強そのものを好きでいられたため、継続して学び続け大きく「あと伸び」をすることができたのでしょう。

 

「知りたいから勉強する」。シンプルにそう考えられる子は後々大きく成長できるのです。

 

あと伸び力で大切なのは「好奇心」と「粘り強く考え抜く力」

好奇心だけでは不十分。

「あれもこれも面白そう!でも長続きしない」というのは飽きっぽいともいえます。

 

そうではなくて「これはどういうことだろう」と興味を持ったら、試行錯誤をして自分が納得するまでじっくり取り組む

 

そうすることで一つ一つの知識が血肉となっていくのです。

つまり「試行錯誤のプロセスも楽しい」と感じられる経験の積み重ねが大切なのです。

 

だとすると親として子どものためにできることは、日常の中で生まれる好奇心

「これって面白いね」

「どうなっているのか調べてみよう」

「一緒に試してみよう」

知識に結びつける手伝いをしてあげることではないでしょうか。

 

やる気のない子に「勉強しなさい」ということほど不毛なやり取りはありません。

 

できるなら我が子にこのセリフを言わずに済むよう、忙しい毎日でも子どもの好奇心を広げる手伝いができるように自分の機嫌は自分で取りながら、心の余裕を持ち続けたいと思います。

 

【参考文献】

子どもの自己効力感を育む本

モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て