小学校受験、通称「お受験」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
なんとなくお金持ちだけの別世界という先入観から、我が子の選択肢には考えてこなかったのですが(漫画花より男子の影響かもしれません…)、ふと本当にこれでいいのか、と疑問を持ちました。
中学受験についても実は偏見があった
こんにちは。元塾講ママのしょうです。
中学受験塾で10年間指導に当たった私ですが、実は自分自身は中学受験経験がありません。
小中高と公立で自由に伸び伸びと過ごし、大学受験では多少の苦労を経験したものの、第一志望だった某私大に合格しました。
自分の受験に概ね満足していたためか、「中学受験は親が9割」という言葉に象徴される中学受験に対して元々はあまりいいイメージを持っていませんでした。
しかし実際に塾で働き始め、自分の知らなかった世界で、たくさんの小学生たちが、途方もない努力を重ねて、分厚く高い壁を乗り越えようとしている事を知り、そのイメージが180度変わりました。
小学校受験(通称「お受験」)のことも何も知らない
そして、実はまだ私の知らない受験の世界があることに気づきました。
それが小学校受験。通称「お受験」。
かつて中学受験に対して先入観からネガティブなイメージを持っていたように、「お受験」についてもただ何も知らないだけかもしれないと気づきました。
ならば、まずはお受験について知り、その上で改めて我が子が受験をするか否かを考えてみたいと思い、自分なりに調べてみました。
今回は学校の種類や代表的な小学校について、東京でのお受験情報をざっくりとまとめます。
どんな小学校があるのか
代表的な小学校と教育目標を挙げていきます。
男子校
暁星小学校:カトリック。心の優しさと逞しさを併せ持つ、「気は優しくて力持ち」の子どもを育てる。
立教小学校:聖公会。愛の教育、友達のよいところかわかる、自分のよさを表現できる、広い視野、感謝の心を教える。
以上2校でした!少なくてびっくり。どちらもキリスト教系の小学校です。
女子校
雙葉小学校:カトリック。「祈る心のある子ども」「思いやりのある子ども」「実行力のある子ども」を育てる。
白百合学園小学校:カトリック。純粋さ・優しさ・凛とした強さを育てる。
東洋英和女学院小学部:プロテスタント。一人ひとりを愛し、誠実に向き合い、他者の喜び、悲しみに寄り添うことのできる心を育む。
立教女学院小学校:聖公会。国際的な教養を身につけ、宗教的情操を養い、自主性と自立性を育てる。
日本女子大学附属豊明小学校:「実物教育」「自学自動」を基軸にした教育。
川村小学校:感謝の気持ちを常に持つ、心優しい、我慢強い子を育てる教育。
光塩女子学院初等科:カトリック。「人を大切にする」ことを重視する教育。
聖心女子学院初等科:カトリック。魂を育て、確かな知性を磨き、堅実な実行力を養うという人間教育。
田園調布雙葉小学校:カトリック。児童が感じる心、信じる心、祈る心を持ち、進んで学び、努力を続け、健康なからだを作り、周囲に目を開き、よりよい世界を作るために働きたいと願う子どもに成長するよう見守る。
東京女学館小学校:日本婦人の持つ潜在的な可能性を開放し、世界の女性と対等に交際できる人材を育成する。
以上。男子校よりは多いですが、それでも女子校はたった10校!
特にカトリックの学校が多く、優しさや思いやりといった、情緒面を重視する教育が多いのが印象的。
共学
とても多いので、代表的な学校を「大学まで」「高校まで」「中学受験前提」の3つに分類しました。お受験の世界ではどちらかというと小学校は共学がスタンダードなんですね。
【大学まで】
慶應義塾幼稚舎:福澤諭吉の教育理念である「独立自尊」の教えを重視。「独立」とともに「共生」を、「自尊」に加えて「他尊」を大事にする子どもを育てる。
青山学院初等部:プロテスタント。「神を知り」「神を信じ」「神の愛に応える」人格の育成。
学習院初等科:伝統を大事にしながら初等教育の基になる基礎学力の徹底と思いやりある心豊かな人間を育成。
成蹊小学校:基礎教育の真髄である自学自修の習慣を確立させながら個々の「心の力」を発揮する土台を築く。
早稲田実業学校初等部:「去華就実」「三敬主義」に基づく伝統を踏まえた、自主独立の気風にあふれ広く社会に貢献できる人間の土台を確立する。
必ずしも全員が系列の大学に進学するとは限らない「進学校」の側面を持つ学校もあります。
【高校まで】
サレジオ小学校:自己肯定、他者との共存を学び、自らの使命を見出し、社会に貢献できる子どもを育てる。男子は中学まで、女子は小学校まで。
桐朋小学校:「子どもを原点にし、一人ひとりに寄り添う」「社会の主人公となりゆくための根っこを育てる」
【中学受験前提】
洗足学園小学校:全児童が国・私立中学への進学を希望しているため、きめ細かな進路指導と、高い学力を目指した教育を実施。
東京都市大学付属小学校:「高い学力の定着と豊かな心の育成」
宝仙学園小学校:「品格と知性を兼ね備えた人」を造る。
聖徳学園小学校:個性的で創造的知能に優れた人間を育てる。
淑徳小学校:仏教精神を情操教育の基盤とし、豊かな人間性の育成を目指す。
共学校が最も多く、ここでは書ききれませんでした。
国立大学附属小学校
筑波大学附属小学校:児童一人ひとりの個性を尊重し、人間性豊かな児童の育成を目指し、心身の発達に応じた教育を行う。
お茶の水女子大学附属小学校:一人ひとりの個性を尊重し、人間性豊かな子どもの育成を目指す。
東京学芸大学附属竹早小学校:「自ら学び、ともに手をとり合い、生活を切り拓く子」の育成を教育目標とする。
東京学芸大学附属大泉小学校:「自ら学び、自ら考え、ねばり強く取り組む子ども、支え合いともに生きる子ども、たくましく清い心の子ども」を教育目標とする。
東京学芸大学附属小金井小学校:「明るく思いやりのある子、強くたくましい子、深く考える子」を教育目標とする。
東京学芸大学附属世田谷小学校:「子どもが人・もの・こと、との豊かな関わりを通して、自立性と共存性を高め、相互啓発的な生き方を追求していけるようにする」ことを教育目標とする。
国立大学附属の小学校はみな大学の教育学部の附属機関。
最新の教育学に関する研究の実験施設としての側面があるため、私立小学校とは違い、研究サンプルとして妥当性のある生徒を集める必要があります。
そのため、あまりに均一な生徒像になりすぎないよう抽選も行います。
最新の教育研究に関心が高く、お子さんにもそうした環境を与えたいと考えるご家庭にはとても良いと思います。
小学校によって個性はさまざま!先入観なく見てみると面白い
私の勤めていた進学塾にも、私立小学校や国立小学校に通いながら通塾している生徒がいて、皆さん優秀な子でした。
ただ公立小学校と比べると、手間のかかる宿題が多く塾との両立に苦労している子が多かった印象です。
特に国立小学校ほどその傾向が強く、私は「お受験と中学受験は相性が悪いなぁ」と思っていました。
そのせいで「小学校受験は我が子には考えない」とずっと考えてきました。
しかし今回様々なお受験の在り方があると分かり、これまでの先入観から解放され非常に面白かったです。
まずは学校名という切り口で情報を調べてみましたが、次回は入試制度や受験対策について調べてみたいと思います。
※次回につづく↓↓