5歳長男と2歳次男の知育や幼児教育について書日々取り組んでいますが、実は一番労力と時間をかけているのは長男のピアノと絶対音感トレーニング、ということにふと最近気づきました。
そこで今回はとても久しぶりに長男の絶対音感トレーニングについて書いてみようと思います。
一音会ミュージックスクール
5歳長男が通っている「一音会ミュージックスクール」は絶対音感トレーニングのメソッドを確立したことで有名な音楽教室。
西武池袋線の椎名町駅から徒歩5分ほどのところに教室にあります。
長男が3歳を過ぎた頃、ピアノを習わせようと調べている中で一音会を知り、自宅から割と通いやすい場所に教室があったため体験レッスン後入会を決めました。
(後にかなりの遠方から通われている方も多いことを知りました)
長男がピアノと絶対音感を習うようになった理由は主に次の3つ。
・普段からどうも耳が良さそうだと感じていた(親バカ?)
・一生続けられる趣味や特技を身につけてほしかった(楽しい人生を送ってほしい!)
・個別指導の習い事が合ってそうだった(超人見知り)
息子本人の適性を考えた結果、初めての習い事は楽器が良いだろう、と夫婦で意見が一致しました。
絶対音感トレーニング完了(白鍵&黒鍵単音)
3歳の終りからピアノと絶対音感のレッスンをスタートし、約10カ月で白鍵のテストに合格、1年8か月で黒鍵のテストにも合格しました。
これで単音での絶対音感は身についた、ということ。
ただ、ここから何もしないと折角身についた絶対音感が失われてしまうので、9歳になるまでは少しずつ自宅でトレーニングを続ける必要があります。
また、2音、3音といった複数音の同時聴き取りのトレーニングに進んでも良いとのことで、先生にご相談したところ、
「どこまで進めるかはご家庭の方針にお任せします」
とのことでした。
家族で話し合って、折角なのでもう少し続けていこうとなりました。
(ちなみにピアニストの反田恭平さんは10音同時に聴きとれるとか。すごい。)
離脱ケースも多い絶対音感トレーニング
ある時一音会の毎月の会報を読んでいると、主宰の江口先生の寄せられた文章に「せっかく絶対音感のトレーニングを始めても最近は途中でリタイアしてしまうケースが増えている」といった内容がありました。
文脈としては「子どもの成長には、大人が待てることが大切」ということだったかと思います。(うろ覚え・・・)
たしかに絶対音感トレーニングの過程では、大抵の人が心折れて諦めたくなる時が来る気がします。(実際に他の人の話は聞いたことが無いのですが)
リタイアしたくなる理由①:毎日の課題がハード
絶対音感トレーニングは、教室では毎週1回、10分程度で音感の定着度合いを確認するだけ。中心となるのは家庭での取り組みです。その家庭での取り組みがなかなかハード。
大人がピアノを弾いて和音を聴かせ、該当する色(ステップによっては音名も)を子どもに答えさせる、を30回繰り返す。これで1セット。
それを一日に5セット行います。
まとめてやるのは厳しいので、1日の中に分散させる必要がありますが、5セットきっちり行うのは正直なかなか大変です。
ちなみにこれは基本メニューなので、トレーニング進むにつれて他にプラスαの課題が追加されていきます。
相手は幼児ですから気分が乗らないことも珍しくありませんし、1セット30回を最後まで集中するのも、なかなかハードルが高いです。
対策:我が家の場合
朝起きてすぐ、登園(登校)前、帰宅後すぐ、入浴後、寝る前、といった感じで予めやるタイミングを固定し、スケジュール表を作成して貼りました。
それでも、食事の支度状況や、次男の愚図りが発生したり、予定通りに進まないこともあり、実際は平日3セットしかできない日も多々ありました。ただ、やはり一日の回数が少ないと定着度が下がるので「一日5回」というのはきちんと理由があるんだな、と実感しています。
あと、子どもの疲れが出る夜は1セット30回を集中するのが難しくなるので、どうしても無理そうなときは思い切って1セットを15回~20回くらいに減らしました。
体感として、あまりダラダラとしてしまうくらいなら、多少回数が少なくしてでも、集中できる回数で5回行う方が、定着がいいように感じます。
リタイヤしたくなる理由② なかなか次のステップに進めない
絶対音感トレーニングでは、「一つの和音を完璧に聴きとれるようになったら次の和音に進む」が原則。
定着が甘い時は何週間でも同じ内容を繰り返し、定着するまでは決して先へ進めません。
実際にやってみると、どうやら「その子にとって定着しにくい音(聴き分けにくい音?)」というのがあるようで、前のステップはすぐに定着したのに特定の和音だけなかなか定着せず、1か月以上も先に進めない、ということが起こります。
きちんと言われたとおりにやっているのに、どうしても進まない。
終わり(定着)がいつ来るかは分からないので、子ども以上に親の方が先に音を上げてしまいたくなるのでしょう。
対策:我が家の場合
長男の場合も、なかなか聞き分けにくい和音が2つあり、一つの和音習得に1か月以上費やすこともありました。(通常は2週間で次のステップに進みます)
ただ、また先に進まなかったなー残念…、とは思いましたが、辞めたいとまで思い詰めることはなかったです。
コツとしては「淡々と続ける」に尽きるのですが、その「続ける」ができなくて辞めたくなるのでしょうから、私と息子が続けられた理由を深堀りしてみます。
絶対音感トレーニングを最後まで続けられた理由
リタイヤせず続けられた理由を考えてみると、次の3つが思い浮かびました。
・全体的には(たぶん)スムーズに進んでいた
→「うちの子耳がいいんだなぁ(親バカ)」と思っていたので、前に進まなくても、「そんな時もあるよね」と軽く思っていました。「うちの子ならできる」という親の思い込みは大事だと思います。
・1日5セットこなせない時も多かった
→十分な回数をこなせていないのだから、時間がかかって当然。と、そもそも最短距離でのゴールを期待していませんでした。「できないなりにやるしかない」というある種の開き直りと、「不足分はポテンシャル」と捉える楽観性。
・他の人の進度と比べなかった
→他人との比較やマウンティングは子どもの成長の毒にしかなりません。完全にマンツーマンレッスンだったため、他の人の情報は全く入ってきませんでした。
「他人と比べない」ことが一番の近道。待てる親になる!
上記の3つの中で私が一番重要だと感じるのが、「他人と比べないこと」。
絶対音感は、定着までのペースはそれぞれ異なっても、適切な時期に正しい方法でトレーニングすれば必ず身につくものです。
それでも「辞めたくなる」というのは、
「他の子よりもペースが遅い」と親が感じて、「うちの子は他の子のようにはできるようにならない」と、親が諦めてしまうからではないでしょうか。
なかなか次のステップに進めないでいるとき、実は私も何度か
「他の生徒さんはどんなペースで進むんでしょうか?」
と先生に質問したくなる衝動がありました。しかし絶対に口には出しませんでした。先生の回答を聞いたところで先に進めるようになるわけではありませんし、自分にできることは先生に言われた通りに淡々と進めることだけですから。
「他の子と比べない」が重要なのは、習い事や学習、ひいては受験勉強など子育てすべてに言えること。
「我が子の成長のタイミングをじっくり待てる親になる」
ということの大切さが、息子の絶対音感トレーニングで私が最も学んだことかもしれません。