元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

【中学受験】国語の学習法② 「復習ノート」で読解力を格段にアップさせる

勉強におけるノート作りは賛否両論。とかく細かい作業が好きなタイプの子の場合、ノートを作る事そのものが目的になってしまいがちです。

ちなみに私は大雑把な性格なので、昔からノート作りは苦手。

ただ、「書く」という行為そのものは思考の整理に役立つので、自分の作業や中学受験における国語指導にも、書くことを活用してきました。

そこで、今回は私がスパルタ塾講時代に必ず宿題に課していた国語の「復習ノート」についてご紹介してみたいと思います。

 

 

 

国語の読解問題に出題される文章ジャンルと特徴

まずは中学受験の読解問題で扱う文章ジャンルについて、ざっくりと特徴を整理してみます。

物語文

・登場人物

・心情

・場面展開

物語文の文章読解(記述・選択肢問題いずれも)この3つのどれか、もしくは複合の形で問題が作成されます。(語句・漢字などの知識系は除く)

したがって、問題はそれぞれの要素を正しく理解しているか、記述であれば過不足なく要素を含めることができているか、が問われます。

 

説明文

 

 

あるテーマについて解説された文章。具体例を用いながら、分かりやすく説明していきます。

したがって

・事実(具体例)

・抽象(まとめ)

を区別しながら、どの部分の抽象と具体が対応しているのかを正しく把握する必要があります。

文章全体を抽象化したまとめ部分もしっかりと捉えることが重要です。

 

論説文

・説明文(具体+抽象)

・筆者の意見

事実意見因果関係になるため、どことどこが対応しているかを正しくは捉えることが重要。

また意見部分は何度も繰り返されることが多いですが、言い回しは変化します。

そのため一見別の内容(意見)に見えても、実は同じことを言っている、と分かるか否かで文章の理解度が雲泥の差。

 

随筆文

・筆者の体験

・意見(感想)

旅行や人との出会い、過去の回想など個人的な体験に基づく意見や感想を述べた文章。

論説文よりも論理構成が曖昧(文学的)なため、読み慣れないと掴みどころの無い文章と感じる。

豊富な語彙力を背景に持ち成熟した論理的思考力をもって読み進めないと、「言っていることは何となくわかるけれど、解答欄を全然埋められない」となりやすい。

難関校ほど随筆文を出す傾向がある。

 

過去のミスを次に生かすための「復習ノート」

 

◆復習ノート例◆

 

復習ノートとは、その名の通り主に読解問題の演習後に作成する復習のためのノート。

目的は、自分の間違いを客観的に理解し、二度と同じ間違いを繰り返さないこと。

上記のように、ノートに「設問」と「自分の解答」「模範解答」を書き写し、

・自分の解答と模範解答とを「比較」

・間違えた原因を「分析」

・同じ間違いをしないための具体的な「行動」

に落とし込みます。

 

先に説明した各文章ジャンルごとのポイントを意識しながら解答解説を読むと、自分の解答の何が問題なのかが見えてきます。

 

子どもは何度も同じ間違いをする

子どもは同じミスを何度でも繰り返します。

これは、子どもが「自分がミスしやすい行動パターン」をまだうまく意識できないことが原因。

いわゆる「賢い子」というのは、自分の行動や思考を客観的に把握し、コントロールする能力が発達しています。

つまり賢い子はメタ認知能力が高いのです。

 

jukukoumama.com

 

メタ認知能力を高める

 

 

復習ノートは、自分の思考(解答)と模範解答の相違、ミスの原因、自分の取るべき行動を客観的に書き出すことで、強制的にメタ認知させるアイテムです。

これを繰り返すことで、メタ認知能力が強化されます。

すると自分自身を俯瞰しながら問題に取り組むことができるようになり、ミスを減らしていくことができます。

 

ミスを悔しいと感じることが大事

子どもは特に忘れやすい生き物。立ち直りが早いのは長所でもありますが、毎回自分のミスまで忘れてしまっては、得点力を上げることはできません。

しかしノートに書き出すことで、

「ああ、またこのパターンで間違えてしまった!」

と自分で気づくことができます。

誰しも他人から指摘されると

「分かってるよ!(💢)」

と反発したくなるものですが、自分で気づくと素直に悔しいと思えると同時に、反省もできるものです。

こうした感情が伴うことより強く経験が記憶され、少しずつ同じパターンのミスが起こりにくくなっていきます。

 

復習ノートはミス全問でやろうとしない

正直なところ、復習ノートは時間がかかります。

実際に私が塾で教えていた際にも、復習ノートが一番大変だ、と生徒達からよく言われていました。

そこで他教科の学習とのバランスも考慮し、おすすめするのが、

その日に取り組んだ読解問題でミスしたものから一問だけ選び、丁寧に分析すること。

雑な分析を大量にやってもあまり効果はありません。

一つの問題を通して自分の行動をしっかりと俯瞰し、深く心に落とし込むことが重要です。

 

まとめ:行動(ミス)を変えるには自分の行動(ミス)を意識することから始める

入試本番、子どもは一人で闘いに挑みます。

ミスを自分で防ぎ、ミスに自分で気づかなくてはいけません。

そのためには、日頃からメタ認知能力を強化していくことが重要。

復習ノートはそのための効果的なアイテムです。

くれぐれもノートを作る事自体を目的とせず、「活用すること」を意識していってほしいと思います。