元塾講ママのシンプル知育

元中学受験塾講師。5歳と2歳の息子たちの「塾無し中学受験」を目論んでいます。

【中学受験】入試直前期は選択と集中

中学受験界に長年身を置いてきた私。

今は受験生を直接指導しているわけではありませんが、やはり正月が終わるこの時期になるとソワソワしてきます。

「二月の勝者」での、入試前日に講師たちがアドレナリンを脳内に放出しまくって目が血走っている描写、かなりリアルで共感しました(笑)実際私もこの時期は、あんな感じになっていたと思います。

 

今回は、入試直前期の過ごし方について、塾講師時代の経験から述べてみたいと思います。

 

逆転劇を左右するのは最後の1か月の過ごし方

1/10:埼玉入試スタート

1/20:千葉入試スタート

2/1:東京・神奈川入試スタート

1/13に統一日程が解禁し短期間で一気に入試が終わる関西入試と違い、首都圏入試は約一か月近く続く長丁場。

12月の模試を最後に、あとは本番を迎えるのみとなります。

毎年中学入試ではたくさん逆転劇や逆転悲劇が生まれますが、それを決定づける要素の一つが、この入試までの1か月間の過ごし方だと私は考えています。

つまり、この入試までの1か月間の過ごし方によって、

最後に爆発的成長を見せる子=合格可能性がBやC判定(あるいはそれ以下)のチャレンジ校に合格する子

最後に失速する子=最終模試で合格可能性がA判定だった安全校にも不合格する子

に分かれるということです。

 

 

合格のカギは「完成度」!入試直前期こそ選択と集中

入試直前期に実施する最後の保護者会で私が必ず伝えていたの

「絶対に新しい問題集を買わないでください」

ということでした。

(そもそも塾のテキストと過去問以外は直前期でなくても必要ないのです)

同じことはどの塾のどの教科の講師、家庭教師も言っていますよね。

この理由は色々ありますが、多くの受験生を見てきた私の考えでは、

100%できることを一つでも多く増やせた人が合格する」というもの。つまり「完成度を上げる」ということを意味します。

子どもたちは、これまで通常授業や季節講習ごとに、大量の教材や過去問を使って、とにかく前へ前へと進んできました。

その都度復習をしつつも、完璧に定着している、とはいえない状態にいるはずです。つまり50%~70%くらいの定着率の内容が子どもの中で大半を占めているのです。

これを、志望校の出題傾向や難易度に合わせて、100%できることを限界まで増やすのが最後の1か月にするべきことなのです。

注意してほしいのは、過去問で100点取れるのを目指すのではない、ということ。4教科トータルで合格最低点を取れるよう、自分が正解するべき分野をしっかり決め、その分野を完璧にする(確実に解ける問題を増やす)という意味です。

具体的な方法としては、教科ごとに各校の過去問+テキスト1つ(多くても2つ)までに絞り込み、徹底的に反復する。その時に絶対に新しい問題に手を出さない、が鉄則です。

使用する教材とやり方の例を挙げていきます。

 

 

既に解いた過去問だけを何週でも繰り返す(志望順位によって何周解くかは変える)

既に解いた過去問は答えを覚えているから意味がない、と考える人もいますがそれは間違い。解答を暗記する勢いでOK。なぜなら、入試問題に込められた「こんな思考をする子に入学してほしい」という学校側の思いを徹底的に体に叩き込むことで、入試本番に初めて出会う問題にも自然に順応できるようになるからです。

 

総まとめ系の問題集を3周以上繰り返す(志望校が出題しない単元は除く)

「四科のまとめ」や「コンプリーション」などがこれにあたります。当然ですが、各塾で採用していて既に解いたことのある教材を使用しましょう。間違っても、本屋さんで「2週間で完成!」のような新しい問題集に手を伸ばしてはいけません。

 

 

 

 

 

中堅校志望or超苦手教科がある場合は小5テキストや季節講習の薄いテキストを繰り返す

中学受験塾はたいてい小5までにその学習範囲の大半を完了します。したがって小5のテキストには基本的事項が網羅されていることが多く、小6ほど発展的ではない点でも、苦手教科のある子にとって優れています

たとえば算数がどうして足を引っ張ってしまう子(結構多いですよね)であれば、思い切って小6の教材は切り捨てて小5の復習を徹底的にするほうが、「100%できること」を増やしやすいはずです。

かつて塾で同僚だった優秀な算数の先生は、特に苦手な子には「小5の計算用テキスト」や「小6の冬期講習テキスト(薄くてポイントがまとまっている)」を繰り返すよう指示していました。

集団塾はどうしても上位層に合わせて授業を行うので、実は大半の子にとってはオーバースペック。不要な難問にも取り組まされていることが多々あります。

(ですから本当に指導力のある講師は「あなたはこれはやらないでいいよ」と子どもによって明確に指示を変えることができます)

 

 

何をするかは担当の先生と相談

実際にどの教材を使うかは塾(もしくは家庭教師)の先生と相談して決めるのが良いと思います。どうしても相談が難しい場合は、一番近くでお子さんを見てきた親御さんが思い切って「選択と集中」にシフトしてください。最後は思い切りが大事です。

まもなく迎える入試本番、ぜひ残りの時間を徹底的に活用し「100%」をたくさん作って志望校合格に一気に近づきましょう!!

 

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