実体験が豊富な子は学力が高い子が多く、読書経験が豊富な子も学力が高い子が多い。
もちろん例外はありますが、長年中学受験の世界で塾講師だった自身の経験からもその傾向には同意です。
(ただし「単純に読書量が多ければ学力が上がる」とは考えていません)
先日、4歳の長男を見ていて、この実体験や読書の学習効果について、改めて納得する経験がありました。
机上の学習の土台として必要な「実体験」
長男は、 Z会 幼児コース を受講しているので、主に「かんがえるちからワーク」を使って毎晩10分ほどリビング学習をしています。
そのワークの問題にこんな問題が出てきました。
注目したのは、下にある「もっと!」の問題。
答えはもちろん「ざりがに」。
自然が身近にある子にとっては朝飯前な問題でしょう。
しかし自然があまりない都会住まいの子どもにとっては、意外と難しいものです。
(ちなみに私は哺乳類や鳥類以外の動物が苦手なので、飼うのはなかなかできそうもありません・・・)
正解への手掛かりになったのは絵本の記憶
先日長男が読んだこちらの本の中には、ザリガニが大迫力で描かれたページがあります。
その「ざばっ」とザリガニが水の中から出てくるシーンを読んだ記憶を元に、都会育ちで自然経験が不足しがちな長男は正解にたどり着きました。
とても素敵な絵本なので、これから本格的に到来する夏に向けてぜひおすすめしたいです。
実体験では足りない経験を補ってくれる読書経験
実体験を積むことは勿論とても大切なこと。
しかし一つしかない自分の体で、全ての物事を実体験し尽くすのは不可能です。
(そんなことを望むのは強欲というものでしょう)
だからこそ間接的に経験を積む手段として読書があります。
地域、国、性別、年代、時代、種(しゅ)といった、自分とは環境や立場が異なる人(もしくは生き物)から見た世界の姿を、読書を通して間接的に知ることができるのです。
こうした読書経験から得られる知識や多面的な物の見方が教養となり、結果的に学力を高めることにつながると考えられます。
読書で得られる究極の境地は「無知の知」
そしてさらに読書経験が積み重なることによって、
自分は間接的に物事知っているに過ぎない
まだまだ自分には知らない世界が無限にある
と気づくはずです。
学べば学ぶほど、いかに自分が無知であるのかに思い至るのは、あらゆる研究分野の最前線にいる方々の発言からも明白。
本当に優秀な人は例外なく謙虚な方ばかりです。
まとめ:実体験+読書経験=子どもの世界
①実体験やそれだけでは足りない経験を読書で補い、「子どもの世界」を広げる
②その上で机上の学習を通して、実体験や本を通して得た知識を「体系化」していく
特に幼少期はこの順番を間違えてはいけないのではないかと感じます。
体験や経験が明らかに不十分なところに、「お勉強」の負担を過度にかけることは、好奇心の芽を潰すことになりかねません。
知育や幼児教育に関する情報が溢れ返る現代。
私自身、本やインターネットで簡単に情報にアクセスできてしまうことで、知らず知らずのうちに情報過多になっていると感じることがあります。
しかし、結局「自分にとっての答え」はいつでも「目の前の子どもの姿」にあります。
(だから人によって答えは様々なはずです)
今回長男が絵本で得た知識を使って正解を導く姿を見て、私は改めて読み聞かせの大切さを腹落ちすることができました。
「実体験+読書経験で子どもの世界を広げる」
これを我が家での幼少期に取り組むべき最優先事項として、ブレることなく今後の知育に取り組んでいきたいと思います。