夏には長男の習うピアノ教室の発表会がありました。
冬にもミニコンサートに親子の連弾で参加したのですが、今回はそれよりもずっと大きなホールで、しかも一人で舞台に立つ初めての経験。
普段は毎朝15分程度ピアノを練習するようにしていますが、発表会直前の2週間前に、1日2時間近く毎日欠かさず練習に打ち込みました。
その経験から感じたことをまとめてみたいと思います。
痛恨の計算ミス!全然曲が完成しない!
発表会で演奏する曲は2か月以上前には決まっていたので、コツコツと練習していれば十分な練習期間のはずでした。
しかし本番まで1か月を切っても、長男はなかなか曲を完成させられずにいました。
今後のためにもその理由を振り返り分析してみます。
理由① 曲の難易度が長男の当時のレベルよりも2~3段階上のレベルだった
曲を決める際、曲集の中からいくつか先生が候補をピックアップしてくれました。
しかし長男がどうしてもと選んだのは候補外の曲。まだ習っていない和音や音域が多めで、本人のレベルよりも明らかに難易度が高い曲でした。楽譜を一目見て、これはしっかり練習しないといけないぞ、私は感じていました。
理由②「まだ時間がある」と、なかなか練習に本腰を入れなかった
当時長男のピアノ練習は、次男が幼く手がかかることから、基本的に夫に一任していました。夫は楽器経験者なので楽譜を読むことができます。
しかし、ちょうどその頃から夫の仕事が忙しくなったこともあり、私に「長男のピアノ練習をして」と言われないとなかなか取り掛かってくれなくなりました。まだ本番まで時間がある、と思って油断していた節も大いにありました。
理由③ピアノ以外のタスクとのバランスを考えなかった
ワークや絵本の読み聞かせといったピアノ練習以外の日常タスクを決めていましたが、そうしたものとピアノのバランスを見直すことなく、全部やろうとしていました。
すると、発表会の曲に向けて練習時間を多めに取ろうとすると当然ながら他のタスクを圧迫することに。
その結果、全部が中途半端になってしまい、親も長男もストレスを感じていました。「ほかにもやることがあるのに」と思いながらのピアノ練習は、親もどうしてイライラしてしまいがちで、せっかく子ども自身が好きで始めたピアノなのに誰も楽しめなくなっていました。
冷静になって優先順位を見直す
本番まで1か月を切ったにも関わらずまだ曲が仕上がっていない状況に、普段は優しいピアノの先生に「もっと練習しないとダメ」と少々厳しめに言われてしまいました。(長男には可哀そうなことをしてしまったと反省・・・)
ピアノ練習を夫に任せっきりにしていましたが、これはマズいと感じ、私が一手に引き受けることにしました。(その代わり長男のピアノ練習中は次男の相手を夫に任せることに)
改善点① 「本番2週間前までに通しで弾けるようにする」を目標に練習ペースを逆算
本番まで1か月弱。まだ曲の半分ほどしか弾けるようになっていなかったので、本番2週間前までに最後まで通しで弾けるようになることを目標にしました。
(ちょうど本番2週間前にリハーサルが決まっていました)
その目標から1日ごとの練習範囲を設定し、日々のタスクを曖昧にせず細分化していきました。
こうすることで、まだできていない部分を過度に気にする必要が無くなり、「今日はここが弾けるようになったから大丈夫」と、一日一日達成感を親子で感じられるようになりました。
改善点② 他のタスクの優先度を下げる
ピアノ以外の勉強系の優先度は思い切って一時的に下げました。
理由は、今回の発表会を「失敗体験」にだけは絶対にしたくなかったからです。
とても慎重は性格の長男なので、もし初めての大舞台で失敗しようものなら「もう弾きたくない」となりかねません。
失敗や挫折が人を成長させる面ももちろんありますが、幼少期にはあまり必要ないと思います。
むしろこの時期に重要なのは、「正しい努力」と「成功体験」とを結びつけること。
「頑張って練習したから上手くいった」という経験です。
この経験こそが自己効力感や自信につながり、自己肯定感を高めることになります。そのためにも「今はピアノに集中する時期」と割り切ることにしました。
改善点③ 試行錯誤を子どもに促す
本番まで差し迫っている以上、練習時間は長くそして真剣にならざるを得ませんが、なるべく苦行とは思わせたくありませんでした。
そのためには、いかに子ども自身の主体的な取り組みにもっていけるか、が重要だと考え、
「ここが上手く弾けるには何を注意したらいいかな?」
「どうすればもっと素敵な演奏になりそうかな?」
と、子ども自身が解決策を考え見つけられるような声がけを意識しました。
そして子どもの考えた工夫が上手くいったときには、
「長男の考えた通りだったね!」
「もっと素敵な演奏になったね!」
と、大げさなほど喜ぶようにしました。
子ども自身が考え試行錯誤することにやりがいと感じるようになると、自然と練習時間を伸びていき、
最初は1日20分程度の練習時間からスタートしましたが、本番2週間前には1日2時間近く練習するようになっていました。
本番は大きなミスなく大成功 そしてそれ以上の成長を実感
練習の甲斐あり、本番は大きなミスも無く大成功に終わることができました。
本番前は長男も緊張したいたようですが、ふと隣を見ると「あんなに練習したからきっと大丈夫」と小声で自分で自分を励ます姿があり、思わず親として胸が熱くなりました。
そして、ピアノ以外でも成長を実感したことがあります。
積極的に友だちと関わるようになった
長男は元々人見知りで自分だけの世界に閉じこもりがち。保育園の先生たちは温かく見守ってくれているものの、なんだか心配をかけてしまっているんだな、と言葉の端々に感じていました。
ですが、発表会以降見違えるほど周りと積極的に関わるようになり、先生方も口々に友だちとの面白いエピソードを報告してくださるように。
人見知りは、強すぎる自己意識や自信の無さの表れでもありますが、難しい課題であっても最後までやり切った結果、本番で大成功できたことで自信がつき、それが人間関係にも表れたのかな、と感じます。
勉強面でも「自分で解きたい」と積極性が向上
元々勉強嫌いではない長男でしたが、発表会以降は勉強に取り組む際「ヒントを言わないで」と言うようになりました。
以前はどうやって解くの?とヒントを欲しがる傾向にありましたが、
自分で試行錯誤する楽しさや成長する喜びをピアノを通して知ったことで、やはり勉強面でも自信につながったのだと感じます。
まとめ:時には「選択と集中」が大切
基本は何事もバランスよく日々コツコツが大切です。
ですが、こうして1つの事に思いっきり集中することが、他の面での成長にも繋がると実感した1か月でもありました。
バタバタと過ごす日常の中でも、時には選択と集中を意識してみて、子どもの成長に繋がる経験を積み重ねていきたいと思っています。